論文:Effect of Transcatheter Arterial Microembolization on Phantom Limb Pain Persisting for 17 Years

(発表年:2018年)

CVIR

こちらの論文は奥野が2018年に発表した幻肢痛に対する運動器カテーテル治療の一例報告です。

同論文はヨーロッパにおいて権威とされている放射線科カテーテル専門医学誌であるCardiovascular and Interventional Radiology誌に掲載されました。

本論文に記されている患者様は、40代の男性で右足の膝から下を交通事故で失っています。切断から半年ほど経過した際、幻肢痛を自覚するようになり、それから10年程して痛みが増し、神経ブロック注射治療、神経焼灼術、ミラー療法、飲み薬、麻薬成分を含む張り薬等、様々な治療法を試してこられましたが、強い痛みがひかず夜間も眠ることが困難なほど悩まされていました。

痛みを発症してから17年もの時間が経った頃、運動器カテーテル治療の存在を知り、受診、治療を実施されています。

治療から2か月経過した際には切断面の腫れがなくなり、更に6か月後には運転やパラグライダーなどのアクティビティにも参加できるほど回復されています。

幻肢痛は今なお有用な治療方法が少なく、悩みを抱えている方が多い疾患でもあります。運動器カテーテル治療によって少しでも、こうした悩みに寄り添い、出来る限り回復へつながるよう、今後も研究を進めていきたいと考えております。