論文:Midterm Clinical Outcomes and MR Imaging Changes after Transcatheter Arterial Embolization as a Treatment for Mild to Moderate Radiographic Knee Osteoarthritis Resistant to Conservative Treatment

(発表年:2017年)

JVIR

本論文は理事である奥野がJournal of Vascular and Interventional Radiology誌に2017年に寄稿し、軽度から中程度の変形性膝関節症(OA)の患者様に対するカテーテル治療の中期成績を綴っています。

2012年から2016年までにカテーテル治療を受けた変形性膝関節症の患者様72名(95関節)を対象とし、治療後1、3、6カ月の短期成績ならびに2、3、4年の中期的な経過も観察、評価しています。

評価は痛みのスコアおよび日常生活スコア(膝を日常においてうまく使えているか)で判断され、治療後6か月以内の短期成績において、はっきりとスコアの変化が認められました。 治療前と比較し、全体の86.3%が、治療成功とされる治療前スコア比較で50%以上の改善を実感されています。また下図のカプランマイヤー曲線が示すように、治療から2~4年経過後も改善を実感している人の割合に減少が無く、線は横ばいを維持しており、対象者は良い状態をキープ出来ていることが見て取れます。

JVIR

変形性膝関節症に対するカテーテル治療は中期成績においても、再発や予測外の不具合等は生じていないことが分かりました。

運動器カテーテル治療はまだまだ新しい治療であり、臨床研究の数自体は多くはないため、今後はより対象者となる患者様の数を増やし、長期間での経過観察を含む調査が必要になると考えています。